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藤原 秀之
HIDEYUKI FUJIHARA
ラジオ作り3
ラジオ作り3
· 06日 9月 2021
黒の記憶No,2
私のラジオ作りは、中学生になってからも続くのだが、並3球ラジオ、5球スーパーラジオ、6BM8を使ったアンプ等を繰り返し作っていたように思う。並3球でも、12Fを使ったり、5MK9だったり、大きさや型が違う種類の組み合わせのものがあった。ST管とかmT管とか言っていた。土台になるシャーシーに、真空管のソケットを取り付ける穴をあけるのが大変だった。まず、ハンドドリルで1cmくらいの穴をあけ、その穴にテーパーリーマを差し込んで回して穴を大きくしていくのだが、結構力仕事で5,6個あけるのに一日はかけていたと思う。確かに大変な作業ではあったが楽しかった記憶しか残っていない。シャーシーの穴あけが終わったら、真空管のソケットを付け、いよいよ半田付けの開始だ。あとは、スピーカーから洋楽が聞こえてくるまで、時を忘れて組み立て続ける日々であった。 ほどなくして、ラジオ雑誌の中身が、真空管式ラジオから、トランジスタラジオに一気に変わっていってしまった。確かにトランジスタラジオは、コンパクトで見た目もカッコよかったが、いざ組み立てるとなると、プリント基板に小さなトランジスタや抵抗などをはんだ付けするだけじゃん。やっぱり、真空管じゃないとだめだということで、トランジスタラジオの組み立てには、全く関心が持てなかった。 ラジオの回路について勉強しようと通信教育書を数か月試みてみたが、計算式等が難しすぎてすぐにお手上げ、中学ではまだ無理だったかな。それでも、中学時代にラジオ作りの経験が一度だけ役に立ったことがある。それは、中三の2学期の期末試験の時、技術家庭の試験問題に、なんと、並3球ラジオの回路図を書きなさいという問題がでたのである。これがテスト問題になるなんて思ってもみなかったが、その時の私は目をつむっていても書けるぐらいで、呆然としている周りの友達をよそに、自信満々で解答を書き終えたのである。
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